ゼフィロス vs ゼフィロス
既に書いたことばかりなぞるようで申し訳ないが、このカルテット3枚目のCDには、通常売られている日本盤の他にポラーンド盤が存在する。
で、何が違うかと言うと、曲順がちょっと違うだけでなく、テープのマスターが違う。
聴いてみるまでは、この作業がこれほど影響を与えるものだとは思っていなかった。同じ曲でも印象がかなり違ったのである。
ポーランド盤は、まぁ普通というかナチュラルな音になっており、演奏の様子をそのまま出そうとしているように感じるが、聴き比べると日本盤の吉田達也によるマスターは、意図的な操作によって、音の立ち上がりというか、アクセントがはっきりしており、キレの良い音になっている。
一方、お得意のリバーブも健在で、弾むような、うねるような、1口で表現できない奇妙な感覚に陥らせてくれるのだ。
ただし、この違いも音量を上げてみないとよくわからない。部屋で普通に聴いている分にはどちらのCDだったか勘違いすることだってある。
好みの問題であるが、日本盤は最初に聴いた時には電気処理をし過ぎたな。と感じたのに、段々とそれぞれに面白さがあることを実感してきて、最近ではゼフィロスを聴く時は2枚とも聴かないと満足できない体になってしまった。
(2004/06/26)
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