10/12 ガイド付きで見学。

贅沢にもガイド(ベルギーでの生活は28年なるという、ベルビューのCMに出演したこともあるとか)を雇い、先ずは、私が一番行きたかったカンティヨン(グーズ博物館とも名乗っている)へ。

Cantiron
Brussels Gueuze Museum
Rue Gheude 56, 1070, Bruxelles
TEL 02/521.49.28
ベルギー国内でもランビックを知る人は少なく、その文化を知らしめる為にミュージアムとしても経営している(ランビックを知ってもらう為には説明が不可欠)のだそうだ。見学料金は、100BFと200BFの2種類のコースがあり、見学の後、1種類のビールを呑む場合は、100BF5種類の場合は、200BF。
5種類の内訳は、
樽で2年熟成させたランビック
フランボワーズ(木苺)
クリーク(チェリー)
ヴィネロン(葡萄)
ファロ(カラメルで甘味を付けたもの)

周りは普通の住宅地で、建物を外から見ても「本当にここで作ってるの?」って感じなのだが、中に入ると余計に「マジ?」って思ってしまう(笑)例えて言うなら「家庭内手工業」とでも言おうか。
確かに、ビールの瓶やら樽やら瓶詰めその他の機械やら・・・と所狭しと並んでいて間違いなく醸造所の雰囲気なのだが、あまりにも規模が小さいのでびっくりしてしまった。ガイドさんでも出て来て「昔はこんな風にしてビールを作ってたんですよ」と言われても疑わずに信じたかもしれない(笑)
で、通訳付きなのを良いことに質問しまくり。
私自信はカメラ持って行かなかったのだけど、1人が持って来てたので、一応礼儀かと思い「写真撮っても良いですか?」と聞くと「かまわんよ、日本人は皆、企業秘密まで撮って行くからなぁ、はっはっは」と笑ってた。
一通り中を見学した後、テーブルについてビールを飲ませてもらう。
初めに、樽で2年程経った熟成中のランビック。さすがに深みはまだ無いが、味の骨格は出来上がってる、といった印象を受けた。
なにせ、ベルギーに住んではいるが、「酸っぱいから飲まない」と言ってた通訳の人も「これは旨いわ!」と言って認識を改めたくらいだから想像して欲しい。フランボワーズ,クリーク,ヴィネロン、とフルーツランビックが続き、最後はファロというキャラメルで甘味をつけたもので全5種類。
カンティヨンではわりと自然任せな作り方なので、フルーツランビックはその年の果実の出来によって色や味が変わるのだが、この年はフランボワーズの色が素晴らしいピンク色に仕上がったと、満足げに話してくれた。
また、フルーツランビックは作ってから2年以内に飲まないと風味が落ちる。とも教わった。なるほど色も味も今まで飲んだものとは全然違う。

販売コーナーが設けてあって、ビール以外にもグッズとかを売っている。迷うことなく「グランクリュちょうだい」と言って、1本買ったのだが、「こいつはな、先日瓶詰めしたばっかり、20年は持つよ」と言っていた。もちろん、その日のうちに飲んでしまったので確認する術はないけど...他にもグラスとTシャツを買ってしまった。
そんなわけで、普通なら何話しているのか理解に苦しむところなんだけど、さすがガイド付き(^^; たっぷり堪能したところで、続いてベルビューへ。

Belle-Vue
Quai du Hainaut 43, 1080 Bruxelles
レンガ作りの大きな倉庫が並んでいるような建物。その一角に、洒落たバーのような作りのところがあって、見学を終えた人がここでビールを飲みながらくつろげるようになっている。
見学は要予約であったが、醸造所内のBERには入れてくれた(ガイドさんの交渉に感謝)。ここでは聞く話も無いので終始呑み続け。
カウンタの向こうに生ビールの注ぎ口みたいなのが3つ、希望に合わせて店員がビールを注いでくれるようになっている。椅子とテーブルが多数用意されていて、かなり大人数でも収容出来そう。パンフレットやラベルなんかも抱負に準備されていて、グッズの販売もしていた。
グーズ、クリーク、フランボワーズの3種類の中から選ぶように言われて、皆グーズにした。いつもなら甘いので飲まないところだが、ここでまでそんな野暮なことは言わない(笑)それに、ビールをグラスに注ぐ、その作業が流れ良く、見ているだけでも楽しかったし...飲んでみると以外と美味しい。やはり現場で飲むと違ってくるのだろうか。
見るともなくあちこち見渡すと、今居る所の奥も部屋になっていて、そこには一段低いカウンターがあるのだけど、そこは電気が消えていて薄暗い。しかし、目を懲らすとそのカウンターの奥に何やらボトルが並んでいるのが見えるのだ。「あれは、ひょっとして・・・」早速カウンターの店員に話しかける。
名前が思い出せなかったので「ノー・スウィート」だの「オールド・ビンテージ」「ピュア・ランピック」と好き勝手な事を言ってみたが、今一つ通じない。通訳さんの助けを得て更に話をしたところで「オウ!セレクション・ランビック」と名前が出て来た。
「それが飲みたい」と言うと準備が始まった。瓶の中のオリが散らないよう丁寧に慎重に栓を抜きグラスに注いで出されたそれは、淡い金色をしており、ランビックのひねたような匂いが香わしい。

『SLECTION LANBIC GUEUZE』
深い熟成に作られたその味は、口中から全身にに一時の幸せをもたらし、胃の中へと消えていったが、その後も身体の中まで悦ばせてくれた。販売もしてくれるとのことだったので1本買って帰ったのだが、その晩、あっさりと胃袋の中に消え、市販はされてないことを思い出して「やっぱりもっと買っておけばよかったぁぁ」と悔やんだのは言うまでもない。

早めに今夜の宿を決めたかったので、その後は宿探し。3つ目のホテルでAP方式の部屋が空いていたので、そのままチェックイン。思ったより部屋が良かったので、連泊しようと思ったが、空いていたのはこの日だけだった。
AP形式が良いとの話になり、ガイドさんの紹介で日本人がやっているAPを紹介してもらう。残り4日をそこで泊まることにしたのだが、なんとその大家さんの家はマル・ウォルドロン(Jazzに興味の無い人はわからんだろうな^^;)の家でもあった。とりあえず握手だけはしといた(^^;

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